| 第1回コラム:2007年7月10日 | 日本人とF1 |
| F1は果たして日本に「文化」として根付いただろうか? F1日本GPは、鈴鹿サーキットに毎年15万人以上もの観客が詰めかけた。 「これは文化だ」と叫ぶ人も多い。 しかし、私はそう思わない。 日本のサッカーを例にとろう。サッカーは、たとえばワールドカップ だったり、オリンピックだったりすると日本は異様に盛り上がる。 A代表の試合でも、ワールドカップだと普段の試合とはかけ離れて盛り上がる。 逆に言うと、ワールドカップ以外は、意外とサッカーを見ていない連中が多い。 大きなイベントだけ盛り上がり、それ以外は知らんぷりというにわかファンが 実に多いこと。 これは文化と呼べるだろうか?日本人は熱しやすく冷めやすいといわれること がある。 まさにこれに当てはまっていないだろうか。 F1にも同じことが言え、日本GPだけは見に行ったりテレビ観戦はするけど、 開幕戦から最終戦まで観戦するという人が意外に少ない。 F1が定着しているのなら、テレビの視聴率はもっと高くてもいいが、 そういう現実はない。 サッカーのワールドカップの最終予選ともなると、夜中でも視聴率が高い。 日本人は一過性で盛り上がるが、継続的な盛り上がりにはなかなか発展しない。 この熱しやすく冷めやすいというのは、上に述べた「時期」が原因によるもの もあるが、スポーツの種類でとらえても分かりやすい。 例えば野球。団体スポーツでありながら、ピッチャーとバッターという1対1の 対決も存在する。 日本人は1対1の対決が大好きだ。 大相撲も当てはまる。ボクシングやK1などの視聴率も高い。 ところが集団スポーツとなると、なかなか盛り上がるのが少ない。 1対1だとルールが明確で分かりやすいが、集団となるとルールが複雑だったり して、理解しづらいのかもしれない。 ラグビーやアメフトはなかなかルールも難しいし、サッカーでもいまだに オフサイドのルールがわからないという人もいる。 バレーボールやバスケットボールは、ワールドカップなら多少盛り上がるが、 普段から見ている人は非常に少ない。 1対1でなくても、たとえばゴルフは個人スポーツなので、見ている人も分かり やすく、土日の午後はテレビ中継も多い。 このように、個人スポーツだったり1対1のような対決は、日本人が好むスポ ーツなのではないだろうか。 となると、F1は少し厳しい情勢にあると思われる。 別の観点から見てみよう。 「時間」という観点からすると、日本人は時間が短いスポーツを好んでいない だろうか。 相撲は数秒で終わるし、野球も全イニングを見なくても、バッターとピッチャ ーの特別な対決だけ見れれば十分という人もいるし、ボクシングも1ラウンド は3分。 サッカーは前半後半で90分、F1も90分近くかかる。 となると、一過性では盛り上がるが、毎回1時間以上も観戦するというスポー ツは日本人に「文化」として根付かせるのが大変なのではないだろうか。 野球は文化として根付いているといわれているが、最近は視聴率も伸び悩み、 巨人戦の中継がない日すらある。 「巨人・大鵬・卵焼き」なんて言葉が数十年前にはあった。 世の中のお父さんは、巨人が大好きで、大相撲は大鵬のファン、おかずは卵 焼きがごちそうだったというわけだ。 現代は、巨人はイチローに取って代わられ(スポーツニュースの量が大リー グの方が多くなった)、大相撲は外国人力士に占領され、すきなおかずはな くてファーストフードばかり。 さて、F1が根付いていないとするならば、根付かせるにはどうしたらいいだ ろうか? この疑問を解く前に、モータースポーツが日本にとってどのようなものであ るかということを考えなければならない。 モータスポーツにまったく興味がない人にとっては、それが暴走族の延長で あるという意識を持っている人すらいる。 そんな人をゼロから説得するには、莫大な労力が必要になる。 モータースポーツが日本にとってどのようなものであるかは、長くなるので 別のコラムで述べるが、日本人とF1いう関係については、ここで結論を 述べなければならない。 日本人は熱しやすく冷めやすい。 これをF1に当てはめると、セナ・プロストの時代は、誰もがF1を見るくらい 盛り上がったが、その後F1に興味がある人は少なくなりつつある。 しかし、毎年鈴鹿に15万人もの観衆が詰めかけたということは、少なくとも 一定の人たちには根付いていることになる。 プロ野球も然り。 視聴率が落ちていても、決してファンはゼロにはならない。 F1は一部の人にとっては、文化として根付きつつある。 今後は、この「つつある」という状態を、「文化」に定着しなければ ならない。 定着させるにはどうすればいいか・・・・ F1の面白さを分かってもらうことである。 では、F1の面白さをどう伝えればいいか・・・ これは、別のコラムで述べることにする。 |
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