F1の安全性について
アイルトン・セナが亡くなって10年以上が経ちました。そのセナが亡くなる前日に、ラッツェンバーガーが予選中に事故で亡くなりました。
ここでこのサンマリノGPが中止になっていれば、セナは死なずに済んだかもしれません。(ラッツェンバーガーには失礼ですが。でも第二の惨事は防げたかもしれないですね。)
このセナとラッツェンバーガーが亡くなる前は、1986年にテスト中による死亡事故がありました。間は9年間も空いています。
この間にF1の性能はどんどん進化しましたが、安全性については進化していなかったんですね。
但しスピードを抑えようとする努力は、1980年代後半からは起っていました。
1989年にターボが禁止され、自然吸気による3500ccのみとなりました。ターボはパワーがあり過ぎたんですね。
1993年には、タイヤの幅が13インチに縮められました。が、幅が縮まったということは、それだけ空気抵抗も減ったわけで、その分とエンジンパワーの開発のおかげで、(もちろんタイヤ開発のおかげもありますが)ストレートのスピードは上がって行きました。単に幅を狭くしても完璧な効果はなかったようです。
セナとラッツェンバーガーが1994年に亡くなり、翌1995年には、エンジンは最大3000ccまで引き下げられました。同時に、ステップボトム規制が敷かれました。
まずエンジンは3000ccになりましたが、排気量を抑えても、それ以上に開発の進化が早いのが現状です。
ステップボトムとは、それまでマシン底面が真っ平でしたが、ダウンフォースを減らす効果を出す為にマシン底部に段差を付けました。
1996年には、サイドプロテクターがコックピットの横に取り付けられました。これにより、横からの衝突には大分強くなりました。
でも前から衝突すると、未だに足を骨折したりしますから、前からの衝突はもっと安全性を高める必要がありますね。
1998年には、スリックタイヤが禁止されました。それまで溝の無いつるつるのタイヤでしたが、溝を入れる事でグリップを減らす効果がありました。
同時に、マシンの全幅が2000mmから1800mmに縮小されました。幅が狭くなって、タイヤも狭くなったので、このころからF1マシンが小さくなったなあ、という印象を持たれた方が多いと思われます。
変な言い方をすれば、迫力が少し欠けてきたのもこの頃ですね。
直接安全性に関係があるかどうかは分かりませんが、1990年代後半から、各国のサーキットが改修され、直線の多いサーキットが減る方向にあります。一番分かり易いのがドイツのホッケンハイムですね。ここは大幅に改修されたので、高速サーキットではなくなってしまいました。
安全性と面白味というのは結構背反しています。安全性があまりにも重要視されすぎると、サーキットもマシンも面白味に欠けてしまうかもしれません。とはいってもドライバーが亡くなったら困りますけどね。難しい問題です。
それから2003年からは、ヘッド・アンド・ネック・プロテクションという、通称HANSを装着することが義務づけられました。
ヘルメットの後ろから肩にかけてかぶるようなもので、衝突した際に、頭部にかかるショックを肩に分散させるベルトみたいなものです。
コーナーを曲がるときに首を傾けるドライビング(特に昔のセナやアレジ)は、やり難くなります。肩が凝るとか首が曲げにくいとか疲れるとか苦しいとかいう意見が多いようです。でも安全には変えられないですね。
様々な面で安全対策を施してきていますが、これから先も安全であるかどうかは誰にもわかりません。でも死亡事故はもう起こってほしくないですね。
2006年にはF1のエンジンはV8のみとなり2400ccのみとなりました。
2400ccといったら、一般の車と同じですね。高級車だと3500CCや4000CCもありますから、F1はそれ以下ということになります。
2007年にはとうとうこのF1エンジンの開発までもが凍結されました。安全性の向上(スピードをこれ以上上げない)と、コスト削減という面では貢献できました。
2007年からは、コクピットのモノコック周りが強化され、特に横からの衝突に厳しい基準が設けられました。そして、2007年のかカナダGP。BMWのロバート・クビサが壁に激突する激しいクラッシュを演じました。あまりにも激しくて最悪の自体を想定しましたが、足の捻挫だけで済みました。
これは、F1の安全性が立証された結果となりました。1994年のセナの事故当時のマシンだったら、クビサの命も危なかったことでしょう。
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