F1を取り仕切る団体
現在F1を統括している、及び世界の4輪モータースポーツを“統括”しているのが「FIA」(国際自動車連盟)という団体です。本部はスイスのジュネーブにあり、現在の会長はマックス・モズレーです。一方で「FOA」(F1管理会社)という団体が存在します。
こちらはF1の“権利”関係を一手に握っています。会長はバーニー・エクレストンです。
1970年代までは、各チームは個別にレース主催者と賞金の取り分などを交渉していましたが、バーニーがそれらのやり方を一手に引き受け、チームがレースだけに集中できる環境を整えました。賞金の“権利”などの交渉を引き受けたんですね。
FIA会長のマックス・モズレーの前は、ジャンマリー・バレストルでした(フランス人)。バレストルがFIAの会長に就任したときに、これを「FISA」という個別の組織に独立させ、F1の運営やレギュレーションに対して口出しをするようになりました。
FISAはどちらかと言えばヨーロッパの大陸のメーカー系チーム(フェラーリ、ルノー、アルファロメオなど)側に立った運営を行いました。
ところが「FISA」バレストルは、エクレストンの存在が邪魔になってきました。何故ならイギリス系コンストラクターの代表であるFOCAと、ことあるごとに意見が対立したからです。以後、FOCAとFISAは徹底的にやりあうことになりました。
FISAとFOCAとの争いは1982年まで燻り続けました。当時のFOCA代表バーニー・エクレストンと、マーチというチームの創設者の1人であるマックス・モズレー(現FIA会長)は、FISAのバレストルに対して「F1新シリーズ」の発足を匂わせたりもしました。
やがて時流とともにFISA対FOCAの抗争はおさまっていきました。
ターボ・エンジンの台頭により、それまで非力だったイギリス系FOCAチームも、FISA系チーム(自動車メーカーが多い)と共闘路線を歩まなければならなくなったのです。
FISA(FIA)側とFOCA(現FOA)側はついに協定を結びました。それは当時のFIA本部があったパリ・コンコルド広場に由来して「コンコルド協定」と呼ばれました。その協定には、レギュレーション変更方法や利益の分配など、F1に関する様々な条件が明文化されていました。「コンコルド協定」は、FIAと参加チームしかその書面内容を知ることはできません。
コンコルド協定の決まりは、FIAが作製した書類に対してチーム側が一旦署名すると、チーム側はそれに従わなければならないというものです。
結果、バレストルは念願だったFIAの統治によるF1世界選手権を実現させました。その一方でバーニーはF1の開催権利に加えて、F1「放映」権利を一括して管理することになりました。
1980年代のF1分裂騒動はFIA(バレストル)によるF1世界選手権の統治、そしてFOCA(バーニー)によるF1権利から派生する利益の享受という形で決着しました。
この奇妙な2団体によるF1権利の分割は、結果としてF1開催を安定させ、コンストラクターたちがレースに専念することができる環境を生み出しました。
1997年シーズン終了後、FIAとFOAそしてコンストラクターズはコンコルド協定に再びサインし、10年間の契約延長を決定しました。2007年までF1は開催されることになりました。
2004年ころから、F1各チームは、現在のFOAが利益(テレビ放映権料)をもらいすぎているとして、2008年からF1を止めて新しいシリーズを立ち上げる意思を示しました。
慌てたFOAは、テレビ放映権の分配比率を上げるようにしました。その後各チームは少しずつ2008年からのコンコルド協定に同意するようになりました。
2008年から無事にF1が継続して開催されるようになりました。
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